これからの少子高齢化社会において、介護予防は必須の取り組みです。理由は大きく2つあります。まず1つ目に、高齢者が要介護になってから行われる介護では、本人の機能回復が主になってしまい人手がとられる点です。少子高齢化の中では、高齢者の介護ばかりに人手をとられるわけにはいきません。そこで考えられたのが、高齢者が要介護になる前に予防する、または要介護となっても介護の軽減・症状の悪化を防止するために地域で取り組む「介護予防」です。内容は「参加」と「活動」で、地域の中に高齢者の役割・居場所を作り、そこで活動することで生きがいを感じ、健康を維持してもらおうというものです。
2つ目は、高齢者のQOL(生活の質)の向上です。現在は「人生100年時代」ともいわれているように、寿命が延びています。その中で、子育てや仕事から手が離れて、生きがいを見失っている場合、また新たな生きがいを探すことは簡単ではありません。しかし、地域に介護予防の取り組みがあれば、高齢者は健康である限り生きがいを持って生活することができます。また、要介護になってしまった場合にも、戻る場所があるというのは大きな心の支えになります。そして、高齢者が生きがいを持って、地域の中で活動することで地域全体の治安も保たれることでしょう。誰でもいつかは高齢者となります。そのときのためにも、一人一人が介護予防に関心を持ち、地域でシステムを構築することが重要です。